メイクセラピーの効果とは

近年介護の現場で注目を集めているのがメイクセラピストという仕事です。
これは要介護者にメイクをすることで要介護者にさまざまな効果を与えることでQOL(生活の質)の向上を期待するというものです。
介護施設を利用している要介護者の中には、精神疾患を抱えている人や複数の疾患を抱えている人、日々の生活が苦しいと思う人など、生きることに後ろ向きになっている人、後ろ向きとまでは言えずとも前向きにはなれない人もいます。
そうした中で化粧をしてきれいになった自身の姿を見ることで、嬉しくなったり、心が明るくなったり、人生に前向きになったりすることがあるのです。

メイクセラピストの施術の効果は何も心理的なものに限りません。
社会的効果も期待することができます。
メイクセラピストは要介護者にメイクをするだけでなく、メイクを通して要介護者とコミュニケーションを図ります。
相手が自分の話をしたり、逆にメイクセラピストに興味を持って話しかけたりすることで社交性が高まります。
具体的には他者への関心の向上や他者との交流の活発化などが挙げられるでしょう。
こうした社会的効果と心理的効果によって相手のQOLを向上させていきます。

もちろん、初対面でいきなりメイクをすることに抵抗を感じる人もいます。
そういう人の場合には、ハンドケアから始めるのが一般的です。
そうして徐々に相手が心を許していってリラックスするようになってはじめて化粧をします。
メイクセラピストは介護現場で今後ますます需要が高まっていく仕事の1つでしょう。